ジョゼフからはたまに手紙が届くのだけど、その手紙の内容が気持ち悪くて、手紙を出す事も禁止となった。返事はもちろん書かない。


「留学先で変な男に言い寄られないように、男を信用するなと言ってある。ルーナの選択する授業は経営学になるだろうから男が多いだろう。スージーにしっかり見張っておくように言っておく。婚約者のいない令嬢は誘いも多いだろう」


 わぁ……そこは面倒くさい。バルビエ家のお陰で少し男性不信になっているもの。



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「立食パーティーなのね」


 本日のパーティーも王宮だけど、小ホールでの立食パーティーなんだそう。小ホールと言っても数百人は集まれる規模だけどね。

 私はフェルナンドの婚約者のシルビア様とスイーツに舌鼓を打っている。

 お兄様やフェルナンドは色んな人たちに挨拶をしていた。男性は男性で忙しいようで私達は王宮の美味しいものを食べることに夢中だ。

 お兄様やフェルナンドはたまにこちらを見ているし、見えるところにいる分にはセーフでしょ!


「シルビア様、美味しいですね。濃厚なチョコレートがたまりませんね!」

「こちらのケーキもいちごが甘酸っぱくて最高です」

 食べ終わったので新たにお菓子を取りに行こうと席を立つと、カラフルなゼリーが用意されていた。早速取りに行く。


「あ、フォンターナ卿……」


 お菓子に夢中で気がつかなかったけれど、バッタリと会い目が合ってしまった。


「アルベーヌ殿とフェルナンド殿は先ほど見かけたんだが、君も来ていたんだね」


 エミリオはスイーツが載った皿を持っていた。本当に甘いものがお好きなのね。