パドルさんはフェルナンドのお父様。私は夫人の作るお菓子が大好きだ。あった事は無いけれどフェルナンドにはお兄さんがいて、お家を継ぐのだそう。そのお兄さんは今、諸国漫遊を楽しんでいるところなんですって。それが商売につながると良いわね!
それもあって夫人からはいつでも遊びに来て欲しいと言う手紙を貰った。
留学するにあたりお兄様は口を酸っぱくして言う。
【男を信用するな】
ですって。言われなくても、分かっていますよ。
ジョゼフとの離縁が成立してお兄様が水面下で動いてくれていた事、心配かけた事、さんざん説教されたもの。
あんな男に人生を棒に振られる所だったんだぞ、と。私みたいな小娘は男の人に抗う力はない。襲われてしまったら終わりだったと、長くてありがたい説教をされた。
だってあの人がそんな目で見ているなんて知らなかったもの。それを知ったらもう怖くて気持ち悪くて顔を見たくなくなった。
アグネスとの今後はどうなるのかと思い兄に聞いた。
「別れたらしいぞ」
と一言だけだった。
侯爵家にいた時にまともに話はしていないけれど、アグネスがいたから早期の離縁になったのは間違いない。と思う。
侯爵家のお金云々の話になってもアグネスが使っていたお金はジョゼフの個人的な資産である事から、その辺りは何か考えてのことだったのだろうと想像する。
アグネスに子息を上手く躱す術でも教えてもらえれば良かったわ。と思ってしまった。彼女は私に攻撃をしてくるわけではなかったもの。
話をまともにしたことがないのだからなんとも言えないけれど美しい人であった事は確かね。
後で聞いた噂話だと実家の男爵家には戻っていないとの事。アグネスもジョゼフの被害者だと思う。
どこかで元気に過ごしていたら良いのになぁ……
それもあって夫人からはいつでも遊びに来て欲しいと言う手紙を貰った。
留学するにあたりお兄様は口を酸っぱくして言う。
【男を信用するな】
ですって。言われなくても、分かっていますよ。
ジョゼフとの離縁が成立してお兄様が水面下で動いてくれていた事、心配かけた事、さんざん説教されたもの。
あんな男に人生を棒に振られる所だったんだぞ、と。私みたいな小娘は男の人に抗う力はない。襲われてしまったら終わりだったと、長くてありがたい説教をされた。
だってあの人がそんな目で見ているなんて知らなかったもの。それを知ったらもう怖くて気持ち悪くて顔を見たくなくなった。
アグネスとの今後はどうなるのかと思い兄に聞いた。
「別れたらしいぞ」
と一言だけだった。
侯爵家にいた時にまともに話はしていないけれど、アグネスがいたから早期の離縁になったのは間違いない。と思う。
侯爵家のお金云々の話になってもアグネスが使っていたお金はジョゼフの個人的な資産である事から、その辺りは何か考えてのことだったのだろうと想像する。
アグネスに子息を上手く躱す術でも教えてもらえれば良かったわ。と思ってしまった。彼女は私に攻撃をしてくるわけではなかったもの。
話をまともにしたことがないのだからなんとも言えないけれど美しい人であった事は確かね。
後で聞いた噂話だと実家の男爵家には戻っていないとの事。アグネスもジョゼフの被害者だと思う。
どこかで元気に過ごしていたら良いのになぁ……