「? えぇ。経営を学ぶことで知らないことをもっと知れたらと思っています」

「この前パドルに会ってルーナの店の話をしたんだよ」

 パドルさん! フェルナンドのお父様で隣国ではデュポン伯爵。商人をしていてパドルさんと呼んでいた。最近会っていないなぁ……

「パドルさんには小さな頃からよく隣国のお話を聞かせてもらっていましたね。お元気でしたか?」

「相変わらず精力的に活動をしているよ。それでルーナさえ良ければ隣国の学園で経営を学んだらどうかと提案された。鉄道も開通するから直ぐに帰ってこられるようになるから悪くない話だと思った。ただ店の経営も気になるところだよな」

 留学。考えてもいなかった事だった。それも経営を学べるなんて……

「お店のことは気になりますが小さな頃からよく聞いていた外国に触れることが出来るのは嬉しいです。少し考える時間を貰えますか?」

「もちろん。急がないからゆっくり考えてご覧」

「はい」


 話は終わったのでお父様の執務室を出て庭を散歩しながら考えようと思った。

 この小道がお気に入り。花が近くに植えられていて一気に花に囲まれる感覚。はぁ。良い香りー



「わっ!!」

 っと急に声をかけられて

「きゃぁぁっ!」

 驚いて悲鳴をあげてしまった。



「ははっ、驚いたか!」


 ドッキリ成功! と言った感じで笑うアルベーヌ。


「お、お兄様! 子供じみたマネはやめて下さいな! 心臓が止まるかと思いましたよ」

「大袈裟なやつだな」


「難しい顔をしていたから、その顔を崩してやろうとしただけだ。どうした? 考え事か?」

 お見合いの話と、留学の話をされた事をそのまま伝えた。そしてお店のことも。


「あぁ、なるほど。留学はしたいけど店が気になるってことだな。そりゃ気になるだろう。誰か信頼のおけるものに頼むしかないだろうな」