レースに隠れたその体のラインは隠れる事なく若々しく、ハリがあり特に胸の膨らみも魅力的だった。


「おい! ジョゼフ若くてあんな美しい嫁さんを貰うなんて羨ましいぞ!」

「ベールを取った瞬間に息を呑んでしまった!」

「いいな、羨ましい……あんな可愛い嫁さんと今日から毎日楽しめるなんて……」


 髪をアップにしている後ろ姿にさえ気品と色気が漂う。開いている背中のラインに目を奪われ、他の男に見られたくないとさえ思った。


「あんな可愛くて若い嫁さんなんてどうやったらゲット出来るんだよ! 二十四なんて十六歳から見たらおっさんだろ!」


 ……私は今までルーナの事をガキだと思っていたがルーナから見たらおっさんなのか?


「おい、アグネスとは別れたんだろうな! 嫁さんを泣かせる様な事はするなよ!」

「まぁ、ルーナちゃんなら仮に離縁をしたとしても、次の相手は引く手数多だろ。俺も立候補したい!」

 バカな事を言う友人達を置いて、ダンスの披露の時間が来たからルーナを迎えに行った。


 友人の令嬢達と話しているルーナは花が綻ぶ様に可憐で、私がルーナの名を呼ぶと一瞬にして表情をなくし

「侯爵様、なにかありまして?」

 他人を呼ぶ様に私にそう言った。以前は名前で呼んでいたと思うのだが……私が侯爵を継いだ事によりそう呼んでいるのだろうか……


「友人達との会話中に申し訳ない。ダンスの時間なんだ。私たちが踊らないと他の人たちが踊れないから誘いに来たんだ」

 なぜ説明口調なんだ……ルーナと話すのに緊張するなんて。

「それは申し訳ございませんでした。話に花が咲いておりましたわ」

「いや、構わないよ」


「皆さん、ごめんなさい。()()()()踊ってきますわね。それでは楽しんで行ってくださいね」