「行ってくるよ」
「行ってらっしゃい。私たちが一緒になるにはあのガキと仮初めの結婚をしなくてはいけないのでしょう? それなら喜ばしい事じゃないの」
「……面倒なだけだ」
キスをしてアグネスの家を出た。明日は結婚式だ。また邸に戻れば説教されるのだろうか……私は二十四歳で侯爵家の当主だ。執事もメイド長もネチネチと煩い。
今日も説教だった。明日は結婚式だから部屋で休む。と言って二人を撒いた。
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結婚式をもって両親は領地へ引っ込む事になり、明日アグネスは侯爵家へと引越ししてくる。
と言ってもアグネスの生活家具はすでに、邸に用意してある。身一つで引越してきても生活はできる。
結婚後の契約があるからルーナはこの事に関して異論はないだろう。明日とうとうあの五歳だったルーナと結婚式だ。ままごとの様な結婚生活は真っ平御免だ。私はロリコンではないし大人の成熟した女の魅力にしか興味はないのだ!
…………そう思っていた。
教会で誓いの言葉を言えずにいるルーナに舌打ちをして、その後誓いのキスをする予定。頬にでも軽くすればいい。そう思い花嫁のベールを上げた。
…………するとそこには、女神かと思う様な美少女がいた。胸まで隠されたベールを取ると張りのある触り心地の良さそうな胸の膨らみ……
コレがあのルーナなのか……絶句した。
誓いのキスを……と言われルーナの小さな艶のあるピンクの唇に吸い込まれる様に顔を近づけると、ルーナは膝を折り額にキスをする事になった。
初々しいその仕草は式に参列していた男達を虜にした。
その後は結婚披露パーティーだ。白いレースのドレスに身を包むルーナははっきり言って美しかった。