「先輩...どうしたんですか。」



無理矢理、私に給湯室に連れ込まれた朝比奈君は驚いたように目を丸くしている。


「こんなところにいきなり押し込んで、先輩は随分と積極的なんですね···──」



私は興奮のあまりかなり朝比奈君に密着していることに気づいて慌てて体を離した。



「ごめん。 

あまりにも興奮していて···つい..」



「興奮..?」



「·····アッ!!··興奮って変な意味じゃないわよ?」



「分かってますよ。」


私の言葉に朝比奈君は可笑しそうに笑んだ。



「私、こんなにも腹ただしいのは生まれてはじめただわ。
絶対、あのムカつく女の鼻っ柱をへし折ってやるんだから。」


思い出すだけで、お腹のそこから沸々と怒りが込み上げてくる。

あの女にプライベートでは快斗を寝取られたけど、仕事なら絶対にまけないんだから。

闘志を燃やす私に朝比奈君はポカンとした表情で聞いている。



「えーっと...もしかして、有森になにか言われました?」


朝比奈君は未だ興奮冷めやらぬ私に向かって問いかけてくる。