「なんで手を抜いたんだ?」

アレンが鋭い目つきで私を見つめている。


「誰にも秘密よ」


私は、事情をアレンに打ち明けた。

「セレア、お前は本当に馬鹿だな」

「どういう意味?」

「それは俺の口から言うことじゃない」

「はっきり言って頂戴」

「まぁ俺には好都合かもな」

そう言い残して、立ち去ってしまった。

「どう言う意味よ」

そう呟いた声は校舎の壁へ消えてしまった。