「咲玖、ほんとにパパ手伝わなくて大丈夫?」
「大丈夫!」
「一品くらいパパが作ろうか?」
「大丈夫だってば!パパ座ってて!!」
「でも〜」
今日は実家に帰っています。
母の日ということで、私がママに料理を振る舞おうとキッチンに立っているところ。
なのにさっきからずっとパパがソワソワしてる。
「ママと咲玖が料理しようとして大惨事になったトラウマが忘れられないんだよ…!」
「まだ引きずってるの?私はもう忘れたわ」
「忘れないで!?」
そんなこともあったな。
でも、今は大丈夫!だって調理部で腕磨いてるもん。
「それにしても嬉しいわ〜。
母の日に娘の手料理が食べられるなんて。
私は実の母に台所出禁にされたのに、親子でも変わるもんね」
というより、ママの料理センスが破壊的すぎるだけのような気がする。
もはや事故だよ。
「何作ってくれるのかしら??」
「秘密〜。あー卵崩れた〜!」
「見るからにオムライスね」