「あーあ…なんで分かんないかなぁ…」

「どうしたの…?私、なんか間違ってるかな…」

「まつり…お前ってほんと…いや、間違ってない。まつりは間違ってないよ。まつりは正しいよ。あのね、まつり。俺が嫌なの。まつりが俺以外の男子と個人的に連絡を取り合うのが」

「…なんで?」

私の肩を掴んだまま、真翔はガクッと項垂れた。

あれ、もしかしてこれって、嫉妬…ってやつ?
今まで私には真翔しか居なかったから。
真翔から離れていくかもしれないっていう嫉妬ですか!?

「真翔!だいじょうぶだよ!」

今度は私が真翔の両手を握って、言った。

「真翔は私の一番の友達!一番大事!誰よりも大事だよ!だから離れていかないからね!」

「うん…え?うん…?」

「ずっと一番の友達だよ!」

「うん。一番の…友達…?」

「うん!」

「友達」

「うん…?」

「あー…うん、まぁ…うん、今はいっか…。まつり、強くなったね」

「え?」

「俺と喋ってても逃げなくなった。ちゃんと自分の気持ちが言えるようになった。みんなの前でも、立派だったよ」

「立派だった?私が?」

「うん」

「えへへ。ありがとう。真翔はちゃんと見ててくれてるんだね。やっぱり一番の友達だ!」

「だーかーらー!もう友達はいいから!」

真翔がまたスタスタと早歩きで歩き出してしまった。

「え!?ちょ…真翔ー!」

なんで怒ってるのって真翔の背中に向かって叫んだけれど、真翔は振り返らなくて、私は走ってその背中を追いかけた。