そして龍を持って演技をするチーム。

胴体は三分割。頭が一つで、尻尾も一つ。
左右に棒をつけて、二人で右と左に分かれて担いでもらう。

一メートルを二人ずつで担いでもらうから、胴体だけで六人。頭と尻尾で二人ずつで四人。
そして“玉”で龍を誘導する人。

合計十一人中、十人の演目チームが決まった。

その中には、胴体の担当で真翔も含まれる。

龍の頭は曲の編成もしてくれる高嶋さんと、同じダンス部の女子。
細かい動きが重視されてるから、経験者の高嶋さんは適任だった。
頭は他よりちょっと重たくなるし、迫力も重要になってくるけれど、高嶋さんが「自分しか出来ない!」って張り切ってくれている。

「最後に、龍が追いかける“玉”ですが、この玉を主軸に龍が乱舞するので重要です。えーっと、誰か…」

「まつりがやれば?」

言ったのは真翔だった。

「私が?」

「うん。この演目を考えたのはまつりだし、実行委員、リーダーとして。みんなどうかな?」

「さんせーい」

「いいと思う」

「私が…出来るかな…」

進藤さんが教卓まで出てきて、黒板に私の名前を書いた。

「出来るかどうかじゃなくて、やんなきゃだめでしょ。みんなだって手探りで分かんないまま、それでもやるんだから」

その言葉は私の背中を押した。

私の変わりたいって我儘にみんなを付き合わせてるのに、私が弱気になってどうするんだ。

「うん。そうだね。私、やる!」

こうして全ての段取りが決まった。

夏休みも学校に来れる人は集まって、
資材を集めたり、龍の骨組みやパーツを作ったり、龍踊りの実際の動きの練習をする。

部活や塾を優先させる為に、係に当たっていない人達も居る。
もしも時間が空いたら手伝いに来てくれることになった。