「これも図書館で見つけた、龍の作り方の資料です」

見つけた資料をコピーさせてもらった物を配る。

土台は段ボールの箱。
これはコンビニとかにお願いして、飲料が入っていた箱とかを貰おうと思う。

セロハンや絵の具なんかは学級費から出せるらしい。

一番大変なのは、鱗だ。

厚紙に雫の形をいくつも描いて、そこに緑や黄色のアクリル絵の具で色を付けていく。
一枚ずつ切り取った物を貼り付けていく。

最後に何個かに分けて作った胴体、頭、尻尾をくっ付けて完成。
練習中に破損したら、何度か補正も必要になってくるから、材料は多めに準備したほうが良さそうだった。

「龍を作る担当になっていない人も、少しでも鱗作りにご協力頂けそうでしたら、お願いします」

「はーい」

「いいよー」

みんなが肯定的な声を上げてくれる。

「それと、色塗りのリーダーを決めたいのですが…千葉さん。お願いできませんか」

「…は、私…?」

千葉さんは、理科の授業で私に水をかけた女子だ。