教室が静かになった。

まだヒソヒソと喋ってる人も居るけど、私の話を遮ろうとはしていないみたいだからそれでも良かった。

「驚かせてごめんなさい。みんな、私が何やってんだろうって不思議に思ってると思います…喧嘩したんです。今日の朝礼を一緒にサボッた人達と…昨日の理科室でのことが原因です」

視線を移したら、原因の女子達はバツが悪そうに俯いた。

武田さんは真っ直ぐ私を見ていた。

「それで…本当はこんな時間にやっちゃいけないんだけど、話をしてたんです。なんでこんなことになったかっていうと…、きっといっぱいいっぱい、彼女達の中に誤解があったんです」

「誤解ー?」

「どういうこと?」

「その誤解を招いたのは私です。私が臆病で、自分の殻を破る勇気が無くて、私は二年生でこのクラスになった瞬間から、勝手に自分の殻の中に閉じこもりました」

「確かに」

「ちょっと…話しかけにくかったもんね」

正直、私が何か言うたびに、クラスの中の誰かが声を出してくれることは有難かった。

演説みたいに、私の話が終わるまでシーンってしてたら、その空気感に負けてしまうと思うから。

私の一言一言に誰かの反応が返ってくる。
みんなと会話をしてるみたいで、ちゃんと私の言葉を聞いてくれているってことが分かって嬉しかった。