ドンッ…ドンドンドンッ…!

スマホを操作してた女子も、水の女子も、私を押さえつけようとしてた女子も、もちろん私もビクッとして、ドアのほうを見た。

「開けろ!!!」

真翔…?
真翔の声だ。

「え、小高くんじゃない?」

「マジ…?」

「開けろ!」

私を押さえていた女子が、内側から掛けた鍵を開けた。

ドアが乱暴に開けられる。

真翔…と、武田さん…?

「なんで…」

水の女子が狼狽える。
驚いてるのは私も同じだった。

真翔より先に武田さんが私達に近付いて、言った。

「おかしいと思ったよ。あんた達三人が朝礼から居ないし、九条まで居ない。昨日の今日だからね。そりゃ勘付くでしょ」

「それは…」

「担任が探しに行くって言ってた。四人も堂々とサボられたら当然だよね。でも真翔が止めてくれたの」

「真翔が…?」

真翔の顔を見た。
悲しそな目をしている。
それが私に向けられているのか、彼女達に向けられているのかは分からない。

「後で必ず先生のとこに謝りに行かせるから待ってくださいって。“クラスの”問題だからって」

「…ありがとう。武田さんもありがとう」

武田さんはやっぱりずっと怒ってるみたいな表情だったけど、今日は不思議と怖くなかった。

「あんたの為じゃないから」

「うん」

「真翔が探しに行くって言うから。この子達が居ないなら、きっと関わってるんだって思ったから。それだけ」

「うん。分かってる」

「まつり…だいじょうぶ?」

露になった私の腕を見て、私が持ってたパーカーを着せてくれた。

パーカーを着る前に武田さんも私を見て、「そういうこと…」って呟いた。