保健室に入ると、保健室特有の匂いがした。
理科室とはまたちょっと違う、薬品の匂い。

保険医の先生がベッドを一つ貸してくれた。

「寝てる子が居るから静かにね」

「はい」

私の代わりに進藤さんが答えてくれた。

「どうしたの?」

「あー、ちょっとこの子、授業で制服汚しちゃって。着替えさせてください」

「そう。じゃあお薬とかは無しで大丈夫ね?」

「はい」

先生が自分の仕事に戻っていった。

カーテンで仕切っている、向こう側で寝ている子を起こしてしまわないに、進藤さんは小声で喋った。

「ジャージ、持ってきてる?」

私は首を横に振った。

「じゃあちょっと待ってて」

一旦カーテンを閉めて、進藤さんは行ってしまった。