朝礼が終わって、「今日、真翔の家に行っていい?」ってメッセージを送りたくてスマホを取った。

メッセージアプリに通知を知らせるバッジが付いている。

もしかして!

すぐにメッセージを開いたら、真翔からだった。

良かった…!
肩から力が抜けていくのを感じた。

朝に送った、雨が降りそうってメッセージへの返事だった。

「本当だね。てかもう降ってる」

返事の下に、添付された写真。

どこかの路地を写している。

小さく写る何か。
ドット柄の、傘だろうか?

上から見下ろしてるような画角。

傘の真上が見えるってことは、傘をさしてる人より上から見てる。

対象物が小さい。

どこだ…。

真翔の家は確かに豪邸だった。
どこの家よりも屋根が高かった。

でも、二階から見下ろしてもここまでは地上との距離は無いはず。

もっと高い、ビルみたいな場所。

ドク、ドク、ドクッて脈が速くなる。

「今どこ?」

五分経った。
既読は付かない。

スマホを耳には当てないで、電話を掛けてみるけど、出ない。

どうしよう、どうしよう…

椅子から立って、橋本くんの席に行った。