誠也は情けないくらいに眉を下げて、縋るように私を見つめていた。

それがなんだか笑えてしまって、知らずに入っていた肩の力を抜きながら、小首を傾げる。




「早とちりしてごめん。ねぇ、いつから私のこと好きだったの?」


「え、えっと、1年の時から……」


「え……私より先なんだ」




私が誠也に恋をしていると気付いたのは、2年になってから。

告白まで半年間空いたし、私の片想いだろうと思っていたのに……。

意外な事実が隠れていたものだ。




「う、うん……だから、本当に嬉しくて……かっこいい彼氏でいたかったんだ。ごめん」


「ふふっ……そんなこと、気にしなくていいのに。私はありのままの誠也を好きになったんだからさ」


「っ……茜、好き」


「ありがとう。私も誠也が好きだよ」




私の彼氏には、どうも甘い秘密があったらしい。




[終]