本当に私のことが好きなのか、告白されたから付き合ってみただけじゃないのか。

そんな思考が止まらなくて、私はある日の帰り道、足を止めて誠也に言葉をかけた。




「ねぇ、別れる?」




あ、間違えた。

こんな性急なことが言いたかったわけじゃなくて。


ズキズキと痛みを訴える胸を無視して、他人事のように落ち着いて考えていると、誠也は思いの外動揺を露わにした。




「――えっ?」


「ごめん、急に。でも、そろそろ気持ちが冷めてきたんじゃないかと思って」


「……」


「告白されたから付き合っただけなら、別れてもいいよ」




顔を見る勇気はなくて、アスファルトに視線を固定する。

返事がないのは、図星だから?