「いやあああああっ!」
夢の中で濁流に飲まれ意識が途切れたのと同時に、わたしはベッドで目が覚めた。
「また……あの夢か……」
事故の少し前に結弦の隣で目を覚まし、みんなと何気ないやり取りを交わす。
夢の中では事故のことを忘れていて、いつもの場所で事故に遭い、水に襲われて意識を失ったところで目が覚める。
大まかにはあの事故のとおりなのだが、事故直前のやりとりが毎回違うような気がするから不思議だ。
明晰夢であったことはなく、わたし自身夢の中では事故のことを忘れているからなのだろう。
夢とはいえ、あの恐怖を何度も味わうなんて、もう終わりにしてほしい。
いや、もう終わりにするんだ――。