四人で今夜のことについて話していると、井関さんの声が響いた。


「結弦ー、賄いできたぞ! 取りに来てくれー!」

「井関さんありがとう! じゃあ、みんなで取りにいこうか」


 賄いを取りに行くついでに厨房を覗くと、井関さんはすぐに気づいて声をかけてくれた。


「おぉ、嬢ちゃん達! 今日のお昼は海鮮丼だよ。さっき手伝ってくれたお礼に、うにといくらも乗っけといたからな」

「えっ、いいんですか? なんかすみません」


 わたしが軽く頭を下げてそう言うと、美輝が用意されている海鮮丼を覗き込んで喜びの悲鳴を上げた。


「わたし、うに大好きなの! 井関さんも大好き! ありがとう!」


 あ、やっぱりわたし無愛想だったかも……。

 今日初めて顔を合わせた相手に、惜しみなく大好きと伝えられる美輝はやっぱりすごいな。


「さあ早く食べな。味噌汁冷めちまうぞ」


 井関さんは豪快に笑っている。

 四つのお盆にはそれぞれに豪華な海鮮丼と、あおさのりがたくさん入ったお味噌汁とお漬物が乗っていた。