私は頷いて大きく深呼吸をする。
修はそんな私の前に裏返したテストを置いた。
問題はどのくらい解けていただろう。

点数は?
そっと手を伸ばてテスト用紙に触れる。
紙に触れた指先が微かに震えた。
怖い。

だけど、見なきゃ……。
ゴクリと唾を飲み込んでテスト用紙を裏返したとき、ホワイトボードを見ていた充が「おい!」と、声を上げた。
みんなの視線がホワイトボードへ向かう。
そこには『点数を3人で争う日 純子失敗』と書かれていたのだ。

私は息を飲んでその文字を見つめる。
ホワイトボードを操っているなにかは、本当に点数を把握していたのだ。


「あ……あああ」


純子が立ち上がり、よろける。
その拍子に机の上のテスト用紙が床に落ちて15点という点数が見えた。


「嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ! 消えたくない!」