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修の採点は15分ほどで終了した。
私はひとり教室の隅に座り込んで結果を待っていた。
純子と未来は体を寄せ合っている。

ふたりの姿を見ているとどうしても香のことを思い出してしまって、胸の重たい鉛を抱えてるかのような気持ちになる。
ああして寄り添って、励まし合っていけたらどれだけ良かっただろうか。


「採点できたから、みんな集まって」


修の言葉に私は怠慢な動きで立ち上がる。
1度座り込んでしまったから、立ち上がることが億劫になってしまった。
純子の隣の席に戻っても、純子と視線を合わせることはなかった。
今私たちの間には見えない線が引かれているようだ。


「点数を発表していくの?」


聞くと修は左右に首を振った。


「その必要はないと思う。俺たちが点数を知る必要はないから」


ホワイトボードを操っていうる誰かが点数をわかっていればそれでいい。
そんなニュアンスだった。