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今まで何度も試験を受けてきたけれど、これほど緊張感のある試験を受けたことはなかった。
3人でテストの点数を争って、悪かったら消えてしまう?
そう考えると体中に寒気が走ってとても集中できない。

だからできるだけなにも考えず、とにかく目の前の数式に集中する。
テストの内容は1日目の授業で習ったところから始まって、まだ勉強していない範囲まで及んでいた。
だけどこれは1度学校で習ったところだ。
数式を思い出すことができれば解ける問題だ。

1問解答するごとにホッと胸をなでおろす。
そして次息を詰めるようにしての問題にとりかかる。
手の平にはじっとりと汗がにじみ出てきて、何度もエンピツを取り落してしまいそうになった。
苦手な数学を前にして、何度も手の動きは止まる。

どうしてもっとちゃんと勉強しておかなかったのだろうと、ここまで後悔したこともなかった。
それでもどうにか最終問題までやってきて、私は完全に手が止まってしまっていた。
最後の問題だけ異様に難しいのだ。

授業で習った記憶はあるものの、難しすぎてすぐにさじを投げてしまった。
先生は最後のこの難問を持ってきたのだ。
どうしよう。