ちょうど9時になったところだ。
朝ごはんも食べていない頭がちゃんと働いてくれるかどうか不安が残る。
でも、ここまで来たらもうやるしかない。

私はエンピツを握りしめて目を閉じた。
数学の勉強はこの合宿に来た初日にやっている。
だから少しは理解できるはずだ。
落ち着いてテストを受ければ、きっと大丈夫。

自分自身にそう言い聞かせて目を開ける。
同時に「開始!」と正志が合図を出したのだった。