恋愛(その他)
完
千夏/著

- 作品番号
- 1696050
- 最終更新
- 2024/10/09
- 総文字数
- 120,219
- ページ数
- 207ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 51,986
- いいね数
- 37
“拝啓 西宮雪斗様”
そう書かれていた紙に、
続きの言葉はなく、
ぐちゃぐちゃに丸められていた。
他人事のように言っているが、
これを書いたのも、
ぐちゃぐちゃに丸めたのも私だ。
そして、その紙をまた丁寧に広げ、
ペンを握ったのも私だ。
“今、一番伝えたいことがあります。”
震える手で、一文字一文字丁寧に書いていく。
文字を書いていくにつれ、視界が滲む。
瞬きをすれば、
それと同時に紙を濡らしてしまう。
でもね、私は胸を張って言える。
悲しいから泣いたわけじゃない。
苦しいから泣いたわけでもない。
それだけは、
あなたに知っておいてほしかった。
“そして、最後に、
私はずっと嘘をついていました”
“私は、あなたのことが、
雪斗くんのことが、
ファンとしてではなく、
大好きでした。”
そう書き終えてペンを置き、
雪斗くんの笑顔を思い浮かべ、
いつものように眠りにつく。
「雪乃」
どこから聞こえてきたのかは、
分からなかった。
ただ、
その声は私の大好きな声だった。
その声を聞くだけで、
優しさに包み込まれたみたいに、
心がポカポカした。
そんな声で名前を呼ばれ、
嬉しくて、
安心して、
私は深い深い眠りについた。
“雪斗くん
私に、生きる希望を与えてくれて、
ありがとう。”
藍原雪乃
この作品の感想ノート
雪乃ちゃんの手紙や雪斗くんの配信ライブでの内容に心打たれました!雪乃ちゃんが今までいっぱい頑張ってきたのに亡くなったあとももう一度だけこれからこの病気にかかってしまう人を助け命助けるために解剖がんばると決断したこと、雪斗くんがマネージャーに会うなって言われた時もう会えないんですと言った時、会える気がすると最後の曲で空を見ること感動しました!初めて小説読んで号泣しました。この本で号泣できたこと生きている間に出会えたこととても嬉しく思います。これからも頑張ってください!長文失礼します
琉歌さん
2024/11/13 20:30
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