やばい、早く特定の人を探さないと。


っていうか、もう誰でもいい。


名前を口にしなくっちゃ。


そう焦って、咲は3年の先輩の名前を口に出した。


「みんなにはまだ言ってなかったけど、咲が好きなのは、椎名佑都先輩なんだよね」


こんなの口からでまかせ以外のなにものでもなかったけど、


「椎名先輩かぁ、確かにカッコいいもんね」