「王子くんはみんなの王子くんなんだから」


「知ってる、知ってる、知ってるよ。もちろん、付き合ってなんかないよ。ただ、隣の席なだけ。それにみんな知ってるじゃん。咲が先輩のことを好きだって」


そう言うと、みんな納得してくれたようだった。


けど、


「でも、先輩先輩って言っても、特定の誰かじゃないじゃん」


鋭い声が後ろの方から飛んできた。


うっ、これ、王子颯斗にも言われた気がする。