真菜ちゃんが不満そうに口をとがらせる。


「球技大会のとき、あたし転んじゃったけど、王子くん、お姫様抱っこなんかしてくれなかったよ」


眉間にシワを寄せて、和子ちゃんが咲をにらみつける。


「もしかして咲ちゃん。王子くんと付き合ってるわけじゃないよね」


桜子ちゃんが疑わしそうな目で咲を見つめた。


その言葉に、全員の女子が悲鳴をあげた。


「咲ちゃん、ぬけがけはなしだって知ってるよね?」