イライラしながら隣の席の王子颯斗をにらむけど、王子颯斗は前を見つめて涼しい顔をするばかり。


ったくこいつは、今日から氷の王子じゃなくて、悪魔な王子と呼ばせてもらうからね。


ギリギリとした咲の歯ぎしりは、授業の始まりとともにかき消された。



お昼休み。


さっさと学校のカフェに逃げちゃおうと思った咲の右腕を、誰かがつかんだ。


そっと後ろを振り返ると、