「王子颯斗ー。咲が痛いのは足じゃなくて、頭なの。お姫様抱っこなんて、必要ないから。おろして、おろして、おろしてよー」 と、ガンガンする頭を振って王子颯斗を見上げると、クスッとキレイな笑みを落とされた。 「……っ」 やばい、またきゅんとした。 咲のクラスはもちろん、他のクラスからも悲鳴を聞きつけた1年生が窓から咲たちのことを見ている。 廊下を通るたび、べつのクラスからも女子の悲鳴が聞こえてくる。