「じゃあ、好きだっていうのがウソなんだ」 「う、ウソじゃない」 今度は少し声が震えた。 「へぇ、咲は俺のことを好きになるはずなのに?」 「そんなの勝手に決めないでよ」 「決めてない。ただ決まってるだけ」 そう言ってから、颯斗は早く来いというように咲に手招きした。 「咲先生、今日は数学を教えてよ」