こうして咲と先輩は付き合うようになった。


なったのだけど……。


「ぶうぶうぶう。どうして俺の咲が椎名先輩のものになってんだよ」


颯斗の家の裏口玄関に入った瞬間、そんな言葉が耳に飛び込んできた。


見ると、まだ制服姿の颯斗が腕を組みながら立っている。


すねたような可愛い言葉とポーズがかみあってないんですけど。


そう指摘する前に、