「衣緒は、衣緒は僕と一緒に居たいって思ってくれてるんだよね。」

コクッ

「でも、私は叶氷さんと違って2人でいられる別の方法探したいって思ってるの。」


「だけど、僕が思いついた方法以外の策は検討がつかない。違うかい?」

畳み掛けるように質問を重ねる。


「違わない。違わないけど…」

ふるふると首を横に振りながら叶氷を見上げる彼女の瞳は、不安げに揺れているように見えた。


「大丈夫。何も怖いことなんてないんだよ。ほら、こんなにも僕は衣緒を愛しているんだから。」

優しい笑みを感じさせる声で叶氷は話す。