互いの瓶の蓋を開ける。 そのまま合図で同時に飲む。 それが二人の暗黙の了解だった。 「三・二・一…」 どちらが発した言葉だったのか。 合図と共に、煽るように流し込んだその薬は何故かひどく甘く感じた。 甘くない現実を甘い毒で塗り替えてしまう。