どうりで。彼自身も微妙に似合わない髪型だと思った。
 自分で切っていたのなら納得だわ。
 
 この際、親子まとめて流行ヘアスタイルに変えてしまいましょう。

「イアン様に必要なものを購入したいですし。次のアシュレイ様のお休みに三人で街へ行くのはいかがでしょう?」

「分かりました。では、次の休日。荷物持ちならお任せを」とアシュレイが頼もしく言う。
 
 まさか自分も理髪店に連行されるとは思ってもいない様子だった。

 翌週、予定通り街へ出た私たちは、イアンの教材や文具などを購入したあと、理髪店へと向かった。男二人はオシャレ空間に完全にたじろいでいる。

 仕方ないので、私が先頭で入店した。

「予約していたクラークです」

「クラーク様、お待ちしておりました。男性カット二名様ですね」
 
「はい」と頷く私に向かって、アシュレイが「俺もですか!?」と驚きの声をあげるのだった。