「はい、頑張ります!」

 やる気をみなぎらせた私は、その後みっちり一時間。イアンとアシュレイが『今日はもうやめてくれ~』とギブアップするまで、ダンスの猛特訓をしたのだった。

 昼食のあとリビングでお茶を飲みながら談笑していると、イアンが急にパタリと倒れて眠ってしまった。しかも頭を私の膝の上に乗せて。

 さっきまで元気にお喋りしていたのに、急に電池が切れたような突然の寝落ちだった。
 
 ブランケットを掛けてあげたいけれど、立ち上がる訳にもいかず……。
 
 どうしようかと悩んでいると、肩にふんわり温かな毛布が掛けられた。

 顔を上げると、口元に人差し指を当てて『静かに』というジェスチャーをするアシュレイがいた。イアンの上にも同様に毛布を掛け、正面のソファに腰掛ける。