震える手で封筒を受け取り、中から手紙を取り出す。
ひとつ深呼吸をしたあと、意を決して内容に目を落とした。
「これは……」
書かれていたのはアシュレイの訃報でも支援金の申請手順でもなく、戦勝記念パーティの招待状だった。
日時は夕方、場所は王宮の大広間にて。
「私、これから王宮の戦勝記念パーティへ行って来ます。イアン様をお願いしますね」
「戦勝記念パーティ、ですか? ずいぶん急な開催ですね。かしこまりました。お任せ下さい」
私は素早く身支度を済ませると、王宮へ向かうため再度馬車に乗り込んだ。
前回の戦勝記念パーティは、凱旋パレードの数日後に行われた。
なのに今回の開催は、パレード当日。
騎士が家族の元へ戻る時間すら与えないなんて。
……何かがおかしい。
でも考えていても仕方ないわ。
王宮に行けばマクガレン隊長やジェイクさんに会って話を聞けるかもしれない。
どうか、アシュレイが無事でいますように――。
ガタゴトと揺れる馬車の中で、私はアシュレイの無事をひたすら祈った。
◇◇
会場には、騎士の家族や関係者が集められていた。
みんな私と同様、突然招待状が届いて困惑しているのだろう。怪訝な顔でパーティの開始を待っている。
ひとつ深呼吸をしたあと、意を決して内容に目を落とした。
「これは……」
書かれていたのはアシュレイの訃報でも支援金の申請手順でもなく、戦勝記念パーティの招待状だった。
日時は夕方、場所は王宮の大広間にて。
「私、これから王宮の戦勝記念パーティへ行って来ます。イアン様をお願いしますね」
「戦勝記念パーティ、ですか? ずいぶん急な開催ですね。かしこまりました。お任せ下さい」
私は素早く身支度を済ませると、王宮へ向かうため再度馬車に乗り込んだ。
前回の戦勝記念パーティは、凱旋パレードの数日後に行われた。
なのに今回の開催は、パレード当日。
騎士が家族の元へ戻る時間すら与えないなんて。
……何かがおかしい。
でも考えていても仕方ないわ。
王宮に行けばマクガレン隊長やジェイクさんに会って話を聞けるかもしれない。
どうか、アシュレイが無事でいますように――。
ガタゴトと揺れる馬車の中で、私はアシュレイの無事をひたすら祈った。
◇◇
会場には、騎士の家族や関係者が集められていた。
みんな私と同様、突然招待状が届いて困惑しているのだろう。怪訝な顔でパーティの開始を待っている。