私たちはカフェの二階テラス席を予約し、パレードを見守ることにした。
先頭を歩くのは華やかなファンファーレを奏でる楽隊。続いて歩兵や騎馬兵が隊列を組んで行進してくる。
騎馬兵の先頭に立つのは、オスカーだった。
多くの兵を引き連れ、一際目立つ白銀の鎧と赤いマントをまとっている。その後ろにはマクガレンの姿があった。
「あれ? アシュレイ、どこだろう?」
二人で手分けして探すが、アシュレイの姿が見当たらない。
とてつもなく嫌な予感がした。
「ビッキー……。アシュレイ、僕のパパみたいに戦争で……」
目を潤ませ、眉をへの字にするイアン。
泣く寸前の少年を抱きしめて、私はことさら明るく言った。
「大丈夫ですよ、イアン様。ヒーローは遅れて登場するものです! いまアシュレイ様が登場したら、オスカー殿下より目立ってしまうでしょう? きっと王子様に遠慮したんですよ」
「そっか……うん、そうだよね! じゃあ、早く帰ってアシュレイを待とう!」
私はにっこり笑ってイアンと手を繋ぎ、カフェを出て馬車に乗り込んだ。
先頭を歩くのは華やかなファンファーレを奏でる楽隊。続いて歩兵や騎馬兵が隊列を組んで行進してくる。
騎馬兵の先頭に立つのは、オスカーだった。
多くの兵を引き連れ、一際目立つ白銀の鎧と赤いマントをまとっている。その後ろにはマクガレンの姿があった。
「あれ? アシュレイ、どこだろう?」
二人で手分けして探すが、アシュレイの姿が見当たらない。
とてつもなく嫌な予感がした。
「ビッキー……。アシュレイ、僕のパパみたいに戦争で……」
目を潤ませ、眉をへの字にするイアン。
泣く寸前の少年を抱きしめて、私はことさら明るく言った。
「大丈夫ですよ、イアン様。ヒーローは遅れて登場するものです! いまアシュレイ様が登場したら、オスカー殿下より目立ってしまうでしょう? きっと王子様に遠慮したんですよ」
「そっか……うん、そうだよね! じゃあ、早く帰ってアシュレイを待とう!」
私はにっこり笑ってイアンと手を繋ぎ、カフェを出て馬車に乗り込んだ。