アシュレイが旅立った数日後、敵艦の襲来が新聞で報道された。
隣国からの侵攻に国民は動揺したが『精鋭部隊が既に対応している』という騎士団の発表により、人々は落ち着きを取り戻した。
特に、救国の英雄アシュレイ・クラークへの国民の信頼度は高い。
街を歩けば『英雄がいるなら大丈夫さ!』『アシュレイ様ならきっと、この国を守って下さるわ!』という市民の声が聞こえてきた。
私もそう信じている。
……けれど、どうしても不安な気持ちは拭えなかった。
「ビクトリアさん、大丈夫?」
正面に座るマクガレン夫人から声をかけられ、私ははっと顔をあげた。
「あっ、少しぼうっとしてました。すみません」
「いいのよ。目の下に隈が出来ているわ。あまり眠れていないんじゃない?」
「実は、あまり……」
「そうよね。私も初めて主人が大きな戦争で前線に出たときは、不安で一睡もできなかったわ」
マクガレン夫人は遠くを見つめながら過去を語った。視線の先ではキャシーとイアンがキャッキャとはしゃぎ声を上げてカードゲームをしている。
隣国からの侵攻に国民は動揺したが『精鋭部隊が既に対応している』という騎士団の発表により、人々は落ち着きを取り戻した。
特に、救国の英雄アシュレイ・クラークへの国民の信頼度は高い。
街を歩けば『英雄がいるなら大丈夫さ!』『アシュレイ様ならきっと、この国を守って下さるわ!』という市民の声が聞こえてきた。
私もそう信じている。
……けれど、どうしても不安な気持ちは拭えなかった。
「ビクトリアさん、大丈夫?」
正面に座るマクガレン夫人から声をかけられ、私ははっと顔をあげた。
「あっ、少しぼうっとしてました。すみません」
「いいのよ。目の下に隈が出来ているわ。あまり眠れていないんじゃない?」
「実は、あまり……」
「そうよね。私も初めて主人が大きな戦争で前線に出たときは、不安で一睡もできなかったわ」
マクガレン夫人は遠くを見つめながら過去を語った。視線の先ではキャシーとイアンがキャッキャとはしゃぎ声を上げてカードゲームをしている。