「庶民に手が届く価格帯まで下げると、かなりの大赤字になりそうですね」
「そうなんだよ。苦しいなぁ……」
アシュレイは昔からこの店に通っていたらしく、店主の力になりたいと思っているようだ。
「旧型とはいえ、商品に何か付加価値を付けられたら、貴族も買うと思うんですが」
「うーん。付加価値といってもなぁ……。おっちゃんは何も思いつかないよ」
アシュレイと店主の会話を聞いていたイアンが「ふか、ふか、価値?」と、たどたどしく発音した。
「イアン様、付加価値ですよ」
「ふかっち?」
「付加価値」
「ふかかち!」
「そうです! 上手に発音出来ましたね」
偉いですとイアンの頭を撫でていると、ふいに良いアイデアが閃いた。
ぽんと手を叩き「そうだ!」と声をあげる私を、店主とアシュレイが同時に見やる。
「そのままで売れないのなら、音声を入れて売り出すのはどうでしょう?」
「何の音声を入れるんだい?」
「手始めに童話なんてどうでしょう。子どもへの読み聞かせや勉強にも利用できるかと」
「そうなんだよ。苦しいなぁ……」
アシュレイは昔からこの店に通っていたらしく、店主の力になりたいと思っているようだ。
「旧型とはいえ、商品に何か付加価値を付けられたら、貴族も買うと思うんですが」
「うーん。付加価値といってもなぁ……。おっちゃんは何も思いつかないよ」
アシュレイと店主の会話を聞いていたイアンが「ふか、ふか、価値?」と、たどたどしく発音した。
「イアン様、付加価値ですよ」
「ふかっち?」
「付加価値」
「ふかかち!」
「そうです! 上手に発音出来ましたね」
偉いですとイアンの頭を撫でていると、ふいに良いアイデアが閃いた。
ぽんと手を叩き「そうだ!」と声をあげる私を、店主とアシュレイが同時に見やる。
「そのままで売れないのなら、音声を入れて売り出すのはどうでしょう?」
「何の音声を入れるんだい?」
「手始めに童話なんてどうでしょう。子どもへの読み聞かせや勉強にも利用できるかと」