「悠里~!はよ行くでー!!」

小学生の高学年にもなると、なんや落ち着きができた俺は、周りからみるとカッコええらしい。
正直、そんなのどーでもよかったんや。

告られることもしばしばあったっちゅーことにはあったんやけど、毎回振って終わった。


「おはようさん。」

貴とは相変わらず仲のええ幼なじみや。
変わった事といえば・・・



「悠里っ!おはよう!」

高林が俺になにかとかまってくるようになった事。

「朝っぱらから元気がよすぎるんやわ、お前は。」

「元気がよくて何が悪いの?」

「俺の神経を逆撫でするんやっ。」

「あっそーでっか。勝手に逆撫でされときゃえぇんやわっ。」

「なんやとこのアホッ!」

「アホやなくて沙歩。」

「名前なんか聞いとらんわ、アホやゆうてんねん。」

「だからさっきから「あー!もう!二人ともやめやめやめっ!」


高林と俺の口げんかはショッチュウで、貴が止めるのも幼稚園のときからかわっとらん。



高林も学校のマドンナとかでかわええらしい。
俺にしてみれば、ただの口やかましい女なんやけどな。

確かに、背はすらーっと高くて(悔しいが俺より少し高い。ほーんの少し!)細身やし、顔も人形みたいやけど、けどけどけど!(←やけくそ)


「なにしてるん?はよいかな遅刻すんでぇ!」

いけねっ考えごとしてて支度がすすんでへん!



「おまたせぇ。」

なんとか急いで支度して玄関を開けると二人ともがプンスカとおこっとった。

「もう!はよう起きたらこんなに急がんでええんやでっ。」

「そーやそーや!」

「はよう起きれる方法教えてくれや。」




ぶつぶつと文句をいいながらも、足は学校へむかっていた。