でも彼は苦しんでいたので全くもって笑えない。



「……それは辛かったね。 体震えたりはした?」


すると思い出したのか、理斗が小刻みに震え出したので

ぎゅっと抱き締め背中を摩る。



「震えはしなかったよ。でも剛直した。……怖かったのかもしれない」


か細い声で言うので、私も心が潰れる感覚がしてあの女子に対する憎悪が湧いてきた。


同時に、理斗が他の女子に触れられた事が、どうしようもなく私の胸を騒がせる。



あぁ、こういう感覚なのか。

上手く言葉に表せないけど……

この胸にある不快感がきっと、理斗の感じていたものに近いのだろう。



彼を強く抱き締め、震えが止まった所で

体を再び離し最後の質問をする。



「ラスト。 何故、あの公園にいたの?」



理斗は目を閉じ深呼吸した後

ゆっくりその目を開いて話し始めた⎯⎯⎯。



「僕は、中2から瑠花を知ってたんだ」