しかし、今はまだダメだと真剣な顔に戻ると

理斗はちぇーと言うように口元を尖らせた。


……その顔可愛い。

思わずキュンとしてしまった。


理斗もちゃんと話してくれたし、私も話すべきだよね…



「理斗、あのね…実はその日、雨でズブ濡れになっちゃって。 そのまま帰れないからって蓮くんのお家に、小ぶりか止むまで雨宿りさせてもらってたの。多分理斗が見たのはその帰りだと思う」


そう言うと彼はその目を仄暗くした。


そして何かに耐えるようにしばらく瞳を閉じた後

少し息を吐き出して不機嫌そうに言う。



「それで? 食べられちゃったの?」


「……んえ? いやいや! そんな訳ないじゃん!」



予想外な言葉に一瞬固まってしまったが

手を振り全力で否定すると……