……あ、私震えてたんだ。

でも、本当に蓮くんのおかげで大丈夫だったし…

何よりこの状況の方が心臓に悪い!!



「れ、蓮くん。 もう大丈夫だから、その、離れて…」


バクバク鳴る心臓を必死に抑えて言うと

少しギュッと力を入れた後、案外すぐ離してくれ、

蓮くんは眉尻を下げて申し訳なさそうに笑った。



「ごめんね。川路の件があったから…震えてる瑠花ちゃん見たら、抱きしめたくなっちゃった」


「そっか…心配してくれてありがとう。 怖かったけど、
蓮くんが助けてくれたおかげでもう大丈夫になったよ!」



今度は自然な笑みで言うと、彼も安心したようで


「よかった…あ、これ。 ごめんね、借りっぱなしで」


「全然大丈夫!気づかないぐらいには使う予定なかったし!わざわざ届けてくれてありがとね」


「ううん……じゃあ、遅いから家まで送るよ」