ドクドク早まる鼓動を抑えられるはずもなく、顔に熱が集まるのを感じる。


彼の熱を帯びた瞳に捉えられ…

オーバーヒートを起こしたみたいに、体が熱くなり思考が止まる。



何も言葉を発さず、目を逸らすこともできず。


ただじっと見つめ合い……それが合図だったかのように


彼の顔がゆっくりと近づく。


そして無意識に瞼を閉じると、間もなく




⎯⎯⎯口唇が優しく重ねられた。




その数秒間触れるだけの口付け。


初めての感触に、触れたところから電撃が走ったような、ゾクゾクする不思議な感覚を覚えた。



口唇が離れ、瞼を開くと⎯⎯⎯

熱を増した瞳に、上気して頬をほんのり染めた理斗がいた。


私はぼーっとしながら目を伏せ

熱をもった口唇に指先でそっと触れ…


「はじ、めて…」


と思わずこぼしてしまった。