「わた、私、ボ、ボカロとか、アニメ、だ、大好き！KーPOPとか、ブランド、よりも！そそ、そっちの方が、好き！好き、なの！」

初めて本音を言えた。真里が肩を大きく上下に動かして上がった息を整えていると、陽毬はフッと笑う。その笑顔は、真里が今まで見てきた人の笑顔の中で、一番眩しかった。まるで真夏に咲き誇るひまわりのように力強く、そして美しい。

「私もアニメとボカロが好き。一番好きなアニメは「あやかし戦記」だ」

「わ、私も！私も好き、だよ！そのアニメ！お、推しキャラは、ヴィンセント・レゴシくん！」

「ヴィンセント、かっこいいよな〜。衣装がいい！」

「イ、イヅナちゃんも可愛いよね！イヅナちゃんと、レオナードくんと、ヴィンセントくんの三人、みんな大好き！」

放課後の教室、真里と陽毬の会話は弾む。真里はこの時間が、今日一日の中で一番楽しいものとなった。