ーーーーー
「じゃあ、また明日」

柔らかく色素の薄い髪色、美しすぎる2色の瞳、細く、白い肌。
全てが真逆。

私はその姿が見えなくなるまで手を振った。
その姿が見えなくなると、来た道を引き返す。
そして普段は通ることのない道を通り、1台の黒く大きな車の中に乗り込んだ。


「ナナミ。久しぶり。」


「お父さん!」


お父さんは別にいるって知っていた。
いつからだろう。
どうやって特定したかは分からない。
あなたは私を知らなかったはずだ。


あの家に私の居場所なんて、無かった。
現実を呑み込めるのほど、私は良い子じゃなかった。


いつものように慣れた様子で私に分厚い茶封筒を渡す。
そして私も慣れたように受け取る。

「俺が本当に愛した人の子だ。」

初めて出会った時、そう言って茶封筒を渡された。
でもお母さんには内緒。


ねぇ、そんなにお母さんを愛していたなら、

なんでお母さんを選ばなかったの?



私の居場所って、どこにあるの


ーーーーー