「今日、疲れてたの?」
「あ、えっと…」
「他の人は気づいてなかったけど、私分かってたからね」
17時をすぎた。
バイトが終わるとナナミに痛いところを突かれた。
ナナミはよく人を見ている。
感なのか、何なのか…
「ほーら!帰るよっ」
「うん、」
バレてしまったからには繕う必要は無いと、私は気を少し緩める。
お店を出るとナナミがはぁ、とため息をついた。
「昨日はあんなに楽しそうだったのに、何かあった?」
「まぁ、少し…」
婚約者がいる、なんて言えない。
私は言葉に詰まる。
「私ね、昨日帰りたくなかったんだ…」
そういって空の方へと手を伸ばす。
その方向へ私も見上げると、いつもは見えないはずの星々がたくさん輝いていた。
「あのお城で言ったこと、誓い。私は本当のものにしたいの。」
まるで星を掴むかのように伸ばしていた手をギュッと握る。
そしてそれを大切に、手から落ちないように胸の前へと持っていく。
「この世界に私の居場所なんて、なかったはずなのに…」
何を言っているの…
私は自分の耳を疑う。
だって、あんなに素敵な家族がいて、周囲に溶け込めて、私より、私より…
「あ、えっと…」
「他の人は気づいてなかったけど、私分かってたからね」
17時をすぎた。
バイトが終わるとナナミに痛いところを突かれた。
ナナミはよく人を見ている。
感なのか、何なのか…
「ほーら!帰るよっ」
「うん、」
バレてしまったからには繕う必要は無いと、私は気を少し緩める。
お店を出るとナナミがはぁ、とため息をついた。
「昨日はあんなに楽しそうだったのに、何かあった?」
「まぁ、少し…」
婚約者がいる、なんて言えない。
私は言葉に詰まる。
「私ね、昨日帰りたくなかったんだ…」
そういって空の方へと手を伸ばす。
その方向へ私も見上げると、いつもは見えないはずの星々がたくさん輝いていた。
「あのお城で言ったこと、誓い。私は本当のものにしたいの。」
まるで星を掴むかのように伸ばしていた手をギュッと握る。
そしてそれを大切に、手から落ちないように胸の前へと持っていく。
「この世界に私の居場所なんて、なかったはずなのに…」
何を言っているの…
私は自分の耳を疑う。
だって、あんなに素敵な家族がいて、周囲に溶け込めて、私より、私より…