私たちは夢から覚めてしまった。
テーマパーク閉園後、ファミリーレストランで夜ご飯を済ませ家路につく。
カチューシャをはずし、白いワンピースを着た私たちはゆったりとした足取りで最寄りの駅から歩く。
それもそのはず。
朝、というよりも早朝から動いていたのだから。
何から何まで今日はナナミにお世話になりっぱなしだ。
いつもの、2人の分かれ道。
夜も遅い。
周りの音は何もしない。
「ワンピース、洗って返すから」
「うん、ありがとう」
テーマパークを出る時も、電車に乗る時も、
今日ずっと繋いでいた手が、解かれていく
夏休みはまだある。
アルバイトで会う時は何度もある。
それなのに、寂しい。
「ナナミ…」
静かな夜に、大きな声を出していないのに私の声が響く。
ナナミは足をとめる。
「今日はありがとう、おやすみ」
私は今日の感謝を伝えた。
ナナミはいつもと変わらない笑顔で、
「おやすみ!」
と手を振りながら帰って行った。
後ろ姿が見えなくなるまで、私は手を振り続けた。
ナナミが隣にいなくなった途端に、更に現実を思い知らされる。
ずっと電源を切っていたスマホの電源を入れる。
夜道に鳴り響く通知音。
しかも、何度も。
誰からの通知かは見なくても分かる。
さっきよりも更に重い足取りで帰りたくないあの建物へと向かうのだった。
テーマパーク閉園後、ファミリーレストランで夜ご飯を済ませ家路につく。
カチューシャをはずし、白いワンピースを着た私たちはゆったりとした足取りで最寄りの駅から歩く。
それもそのはず。
朝、というよりも早朝から動いていたのだから。
何から何まで今日はナナミにお世話になりっぱなしだ。
いつもの、2人の分かれ道。
夜も遅い。
周りの音は何もしない。
「ワンピース、洗って返すから」
「うん、ありがとう」
テーマパークを出る時も、電車に乗る時も、
今日ずっと繋いでいた手が、解かれていく
夏休みはまだある。
アルバイトで会う時は何度もある。
それなのに、寂しい。
「ナナミ…」
静かな夜に、大きな声を出していないのに私の声が響く。
ナナミは足をとめる。
「今日はありがとう、おやすみ」
私は今日の感謝を伝えた。
ナナミはいつもと変わらない笑顔で、
「おやすみ!」
と手を振りながら帰って行った。
後ろ姿が見えなくなるまで、私は手を振り続けた。
ナナミが隣にいなくなった途端に、更に現実を思い知らされる。
ずっと電源を切っていたスマホの電源を入れる。
夜道に鳴り響く通知音。
しかも、何度も。
誰からの通知かは見なくても分かる。
さっきよりも更に重い足取りで帰りたくないあの建物へと向かうのだった。