「須藤、仁香。」

「よろしくね、ニカ!私のことはナナミってよんで!」

「は、はい。ナナミさん。」


私の世界が彼女が現れたことにより、色づき始めた。








彼女は独りでいる私をよく気にかけてくれた。
きっと彼女の優しさからなのであろう。


「ニカのお弁当って、いつも美味しそうだよね」

このように、お昼ご飯を一緒に食べてくれたりする。


「ニカー!ペア組もうよー!」

体育の時のペアを組んでくれたりする。


彼女が来てから私は学校に行くのが楽しくなった。
車で送ってもらうこともやめた。

ナナミさんが隣にいてくれるだけで幸せ。

嫌なことを全て、ナナミさんといる時だけは忘れられた。



そんなナナミさんは、放課後は決まって毎日忙しそうだった。
帰り道の途中まで行くと、決まったところでどこかへ向かっていってしまう。


人が何をしようが気にはしないはずの私だったのに、ナナミさんだけは気になってしまう。



「ニカ、じゃ、また明日ね!」

「ナナミさん!」


私はナナミさんに聞いてみたい。

気になるから。


こんなに知りたいと思ってしまう。


「どうしたの?」


「…ううん。」