「ナナミは、誕生日いつなの?」

帰り道。
私たちは至って普通だった。
あの時の雰囲気とはまるで違う。

どちらもその変化を口に出さない。

普通の…


普通のなにか。


「4月1日。」

「じゃあ、学年でいちばん誕生日が遅いことになるね」

「そうなの。毎年忘れ去られるんだー学校とかはね」


「私がお祝いする!」


勢い余って声が大きくなる。

「嬉しい。」
「私は忘れないよ。」


ナナミの寂しげな顔。

私はそんな顔でいてほしくない。



いつかあなたを裏切る日まで、あなたには笑顔でいて欲しい。